[記事公開日]2023/09/06
アカウント乗っ取りとは?そして、どうやって自分を守れるか
もくじ
1. アカウント乗っ取りとは?
アカウント乗っ取りは、他人が不正にあなたのオンラインアカウントにアクセスし、制御する行為を指します。被害にあった場合、あなたの名前で不正行為が行われる恐れがあります。
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情報の漏洩乗っ取られたアカウント内の個人情報や通信内容が第三者に漏れる恐れがあります。これにより、プライバシーの侵害や、さらなる詐欺のリスクが生じる可能性があります。
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金銭的損害
銀行アカウントやクレジットカード情報が紐づいているサイトが乗っ取られると、不正にお金が引き落とされるリスクが生じます。 -
評判の損害
SNSやメールアカウントが乗っ取られると、あなたの名前で嫌がらせやスパムメッセージが送信される可能性があり、あなたの評判や人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。 -
アクセスの制限
乗っ取りによってパスワードが変更され、自分のアカウントにアクセスできなくなることもあります。 -
他のアカウントへの連鎖
一つのアカウントが乗っ取られると、そのアカウントと関連する他のアカウントやサービスも危険にさらされる可能性があります。特に、同じパスワードを複数のサイトで使用している場合、一つが乗っ取られるだけで他のアカウントも乗っ取られるリスクが高まります。
このように、アカウント乗っ取りは多岐にわたるリスクを伴います。日常的にインターネットを利用する現代では、アカウントのセキュリティ対策は非常に重要です。
2. どうやって乗っ取られるの?
- 弱いパスワード:「1234」や「password」といった簡単なものは簡単に当てられてしまいます。
- 偽のメールやウェブサイト:本物のように見せかけたメールやサイトから、あなたの情報を盗むことがあります。
アカウントの乗っ取りは、様々な方法で行われます。以下に、主な乗っ取りの手口を具体的に説明します。
具体的には?
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フィッシング詐欺: 不正なウェブサイトやメールを使って、ユーザーからログイン情報を盗み取る手口。例えば、「パスワードの確認が必要」といった内容のメールに、偽のログインページへのリンクが添付されていることが多い。
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キーロガー: 不正なソフトウェアや物理的なデバイスを使用して、ユーザーがキーボードで入力した情報を盗み取る方法。この手法でパスワードやクレジットカード情報などが盗まれることがある。
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同じパスワードの再利用: 一つのサイトでのパスワード漏洩によって、他のサイトのアカウントも乗っ取られること。多くの人が同じパスワードを複数のサイトで使用しているため、リスクが高まる。
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セキュリティの脆弱性: サービスやアプリのセキュリティホールを悪用して、アカウントに不正アクセスする方法。
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ソーシャルエンジニアリング: 対人的な手法を使って情報を盗み取る技術。例えば、電話で「サポートセンターの者です」と偽り、パスワードやセキュリティ情報を聞き出そうとする。
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公開Wi-Fiのリスク: 保護されていない公開Wi-Fiを使用していると、中間者攻撃(Man-in-the-Middle攻撃)などのリスクがあり、データが盗まれる可能性がある。
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パスワードリセットの悪用: あなたの個人情報を使って、パスワードのリセットを試み、アカウントを乗っ取る試み。
以上のような手法で、悪意を持った者たちはアカウントの乗っ取りを試みます。セキュリティ対策や日頃の注意を怠ると、これらの手口によりアカウントが乗っ取られるリスクが増大します。
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3. 乗っ取りを防ぐためには?
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強力なパスワードを設定
大文字、小文字、数字、記号を組み合わせて、8文字以上のものを選びましょう。
パスワードは、あなたのデジタルライフの鍵のようなものです。乗っ取りを避けるために、強力なパスワードを設定することは非常に重要です。
具体的には?
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長さ: 短いパスワードよりも、長いパスワードの方が破られにくい。8文字以上が基本ですが、12文字以上のものを選ぶとさらに安全です。
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大文字・小文字: 単純にすべて小文字や大文字だけではなく、両方を組み合わせることで複雑性が増します。
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数字: 0から9までの数字をパスワードに含めることで、破るのに必要な試行回数が増えるため、セキュリティが向上します。
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記号: @, #, $, %, &, *, ! などの記号を使うことで、さらにパスワードの強度が上がります。
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予測されにくいものを選ぶ: 誕生日、家族の名前、連続する数字(12345)、単純な単語(password)など、予測しやすいパスワードは避けましょう。
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パスワードジェネレータの使用: オンラインで利用できるパスワード生成ツールを使って、ランダムなパスワードを作成するのも一つの方法です。
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覚えやすいフレーズの活用: 「I love chocolate ice cream!」のようなフレーズを元に、「Ilc!c3」などのパスワードに変換すると、強度が高く、覚えやすいパスワードが作れます。
このように、多様な文字、数字、記号を組み合わせることで、強固なパスワードを作成することができます。ただし、強力なパスワードを設定したからといって安心してはいけません。定期的にパスワードを変更する習慣も大切です。
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パスワードは定期的に変更
3ヶ月に1回くらいのペースで変えると安心です。
「パスワードを定期的に変更する」というのは、セキュリティ上のベストプラクティスの一つです。長い間、同じパスワードを使用し続けると、それが何らかの方法で漏洩した場合、アカウント乗っ取りのリスクが高まります。
具体的には?
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変更の周期: 3ヶ月ごとにパスワードを変更することを目安にしてください。特に銀行のオンラインアカウントやメールアカウントなど、重要な情報が関連するアカウントはこまめに変更することが望ましいです。
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異なるパスワードの使用: 一つのパスワードを複数のサイトやサービスで使用するのは避けるようにしましょう。もし一つのサイトで漏洩があった場合、他のすべてのアカウントも危険にさらされる可能性があります。
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パスワード管理ツールの利用: 多くの異なる強力なパスワードを覚えるのは困難です。この問題を解決するために、パスワード管理ツールを利用すると便利です。これらのツールは、すべてのパスワードを一元管理し、必要に応じて自動的に更新もしてくれます。
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古いパスワードの再利用を避ける: 新しいパスワードを設定する際、過去に使用したものを再利用しないよう注意しましょう。
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変更の際の注意: 新しいパスワードを設定する際は、前述の「強力なパスワードを設定」のガイドラインに従ってください。
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二段階認証の利用: できる限り、二段階認証を導入してください。これにより、パスワードだけでなく、携帯電話などの他のデバイスを通じた認証も必要になるため、セキュリティが大幅に向上します。
簡単に言えば、定期的なパスワードの変更は、あなたのデジタルな資産を保護するための基本的なステップの一つです。それを実践することで、オンラインでの安全性が高まります。
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同じパスワードを使い回さない
もし1つのサイトで問題があっても、他のサイトが安全であるように。
同じパスワードを複数のサイトやサービスで使うという行為は、セキュリティの観点から極めて危険です。一つのアカウントが侵害されると、そのパスワードを使用している他の全てのアカウントもリスクにさらされます。
具体的には?
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連鎖的なリスク: 一つのウェブサイトやサービスが侵害された場合、そのパスワードを使い回している他のすべてのサイトやサービスにも同じパスワードが使われている可能性があります。このため、一か所でのセキュリティ侵害が他のすべてのアカウントへのリスクとなることがあります。
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データ侵害の影響: 多くの大規模なデータ侵害が報道されています。これらの侵害で盗まれた情報は、ダークウェブで売買されることが多く、犯罪者はこれらの情報を使用して他のアカウントへの不正アクセスを試みることがあります。
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パスワード管理ツールの活用: 各サービスやウェブサイトで異なる強固なパスワードを使用するのは大変ですが、パスワード管理ツールを使用することで、それぞれのアカウントのパスワードを安全に保存・管理することができます。
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定期的なチェック: 使い回しをしていないか、また古いサービスで未だに使用しているかもしれない古いパスワードがないか、定期的に自身のパスワード状況を見直しましょう。
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パスワードの強度: 短い、簡単、または予測可能なパスワードは避けるようにしましょう。ランダムな組み合わせや、フレーズを変形させるなどして、複雑なパスワードを設定するとよいでしょう。
使い回しを避けることで、一つのセキュリティ侵害が他のアカウントに波及するのを防ぐことができます。それにより、オンラインでの安全性を高めることができます。
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二段階認証を有効にする
これは、パスワードだけでなく、電話番号やメールアドレスにコードが送られてくるシステムです。二重の安全対策となります。
二段階認証(2FA)は、アカウントの安全性を強化するための手段として近年広く採用されている方法です。通常のパスワード入力に加えて、第二の認証手段を必要とします。
具体的には?
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認証の流れ: まず、通常通りのパスワードでログインします。成功すると、二段階認証の設定に従って、例えばSMSや専用アプリを通じてユーザーに一時的なコードが送られます。ユーザーはこのコードを入力することで、正当にアカウントへのアクセスを証明します。
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使用される方法:
- SMS: 登録した携帯電話番号に一時的なコードがテキストメッセージとして送られます。
- 認証アプリ: Google AuthenticatorやAuthyなどのアプリが生成する一時的なコードを使用します。
- ハードウェアトークン: 物理的なデバイスが生成する一時的なコードを使用します。
- 電子メール: 登録したメールアドレスに一時的なコードが送られます。
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セットアップの際の注意: 二段階認証を初めて設定する際、緊急時のバックアップコードや、回復の方法を提供することが多いので、これを安全な場所に保存しておくことが重要です。
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安全性の向上: 二段階認証は、たとえパスワードが漏洩したとしても、不正アクセスを大幅に防ぐことができます。なぜなら、攻撃者は第二の認証手段を持っていないため、アカウントにアクセスできないからです。
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適用するアカウント: 金融やメールアカウントなど、個人情報や資産に直結する重要なアカウントには、特に二段階認証を適用することを強く推奨します。
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利便性とのバランス: 二段階認証はセキュリティを向上させますが、ログインの手間も増えるので、利便性とのバランスを考慮しながら使用するようにしましょう。
要するに、二段階認証は追加のセキュリティ層を提供し、不正アクセスのリスクを大幅に減少させます。可能な限り、この機能を利用してアカウントを守るよう心掛けることが大切です。
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怪しいメールやリンクを開かない
「あなたのアカウントが危険です」というような急なメールが来ても、すぐには信じないようにしましょう。
急なメールや見慣れないリンクを無分別に開くことは、アカウント乗っ取りの危険性を高める要因となり得ます。
具体的には?
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巧妙な詐欺メール: 現代の詐欺師は、非常に巧妙な偽のメールを送信することができます。これらは、正規の企業やサービスからのメールと酷似していることが多いため、注意が必要です。
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メールの差出人を確認: メールの差出人があなたの知っている正規のアドレスから送られてきたものであるかどうかを常に確認してください。
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不自然な文言やタイポ: よく見ると、怪しいメールには文言がおかしかったり、誤字や脱字が多い場合があります。これは詐欺師が非ネイティブな言語でメールを作成するためです。
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リンクの前の確認: メールに含まれるリンクをクリックする前に、マウスカーソルをリンクの上に置いて実際のURL先を確認しましょう。もし、URLがおかしそうであればクリックしないようにします。
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添付ファイルの注意: 知らない人からのメールに添付ファイルがついている場合、それはウイルスやマルウェアを含んでいる可能性があります。開かないようにしましょう。
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本文内の緊急性: 「今すぐ行動してください」や「アカウントが危険です」といった焦らせるような表現が使われている場合、冷静になってその他の点を再度確認しましょう。
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直接公式サイトへアクセス: メールでの指示に従わず、自らウェブブラウザを開き、公式サイトに直接アクセスして確認することをおすすめします。
要するに、怪しいと感じたらすぐには動かず、必要な確認を行ってから適切な行動を取ることが重要です。自分の情報とアカウントを守るための基本的な知識と注意が求められます。
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4. もし乗っ取られたら?
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すぐにパスワードを変更
:他のアカウントに影響が出ないように。
何らかの理由でアカウントのセキュリティに不安が生じた場合、即座にパスワードの変更が推奨されます。これは、悪意ある者がその情報を利用してさらなる被害を及ぼすことを防ぐための基本的な対応となります。
具体的には?
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不正アクセスの早期発見: もし不審なログイン活動などを検知した場合、それはアカウントが危険にさらされている兆候である可能性があります。そのような場合、速やかにパスワードを変更することで、悪意あるアクセスを阻止できます。
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データ侵害の報告: 多くの企業やサービスがデータ侵害を公表した際、ユーザーにパスワードの変更を促します。このような告知を受け取った場合、直ちにパスワードを変更してください。
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使い回しのリスク: 一つのアカウントのパスワードが漏洩した場合、同じパスワードを使い回している他のアカウントも危険にさらされます。そのため、使い回しをしているパスワードがある場合、それらのアカウントのパスワードも変更することが必要です。
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ログアウトして再ログイン: パスワードを変更した後は、全てのデバイスやサービスからログアウトし、新しいパスワードで再度ログインするとよいでしょう。これにより、不正にログインしている者がいてもセッションを切断することができます。
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二段階認証の再設定: パスワードの変更と同時に、二段階認証の設定も見直すことをおすすめします。これにより、アカウントのセキュリティをさらに強化することができます。
すぐにパスワードを変更することで、不正アクセスや情報の盗難を迅速に阻止し、他のアカウントやデータが危険にさらされることを最小限に抑えることができます。
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関連するサービスや友人に連絡
例えば、Facebookが乗っ取られたら、友人に「私のアカウントが不正に使われているかもしれません」と伝えましょう。
アカウントが乗っ取られた場合、不正にアクセスした者があなたの名前で不適切な投稿やメッセージを送ったり、さらには他のアカウントの情報を探る行動を取ることが考えられます。これは、あなたの信頼関係を悪用して、さらに多くの被害を生む可能性があります。
具体的なアクションとしては:
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速やかに連絡:アカウント乗っ取りを気づいたら、関連するサービスのサポートセンターやヘルプデスクにすぐに連絡します。多くのサービスは、乗っ取りや不正アクセスに対応する手続きを持っています。
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友人や知人への警告:特にSNSのようなプラットフォームで乗っ取りが発生した場合、乗っ取られたアカウントから友人や知人に不審なメッセージが送信されることが考えられます。そういった場合、可能な限り別の方法(電話や他のSNS)で、友人や知人にアカウントが乗っ取られた旨を伝え、受け取ったメッセージには応答しないようにとの警告を出すことが大切です。
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情報の確認:乗っ取りによって、どのような行動が取られたのかを確認するため、過去の投稿やメッセージのログをチェックします。何か不審な変更や送信があった場合、関連する人々やサービスへの補足説明や謝罪も必要となるでしょう。
このように、速やかな行動と周囲への適切な情報提供は、さらなる被害の拡大を防ぐための重要なステップとなります。
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専門の機関に相談
警察や消費者生活センターに事情を話し、アドバイスを受ける。
アカウントの乗っ取りは、個人情報の流出や経済的損失だけでなく、個人の名誉や人間関係にも大きな影響を及ぼす可能性があります。そういったトラブルに遭遇した場合、自らの判断だけで行動するよりも、専門家や機関のアドバイスを得ることで、適切な対応を取る手助けを受けることができます。
具体的なアクションとしては:
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警察への届け出:アカウント乗っ取りが犯罪行為として認識される場合があります。特に金銭的な被害が伴う場合や、他の犯罪行為へと繋がる恐れがある場合は、最寄りの警察署やサイバー犯罪対策部署に事情を話し、相談します。
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消費者生活センターや専門の相談窓口:多くの自治体には、消費者生活センターや情報セキュリティに関する相談窓口が設置されています。ここでは、一般的なアドバイスや対応の手引き、さらには法的なアドバイスを受けることができます。
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記録の保管:相談する前に、乗っ取りの痕跡や不審なメッセージ、変更された情報などの証拠をスクリーンショットや写真で保存しておくことが重要です。これらの情報は、相談の際に事情を説明する材料として有用です。
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迅速な対応:アカウント乗っ取りの事実を知ったら、速やかに専門の機関への相談を検討しましょう。早期の対応が、被害の拡大を防ぐ鍵となります。
これらの手順を踏むことで、アカウントの乗っ取りから生じる被害を最小限に抑えることが期待されます。
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まとめ
アカウント乗っ取りは、誰にでも起こり得る問題です。しかし、上記の方法でしっかりと対策を取ることで、大きなトラブルを防ぐことができます。大切な情報を守るため、日頃から注意を怠らないようにしましょう。