[記事公開日]2025/03/26
パスが長すぎて開けないときの原因と対処法(260文字制限)
Windowsでは、古くから「パスの長さ(ファイルパス全体)」に制限があります。 パスが長すぎると、ファイルやフォルダが開けなかったり、移動・削除できないトラブルが発生します。
ここでは、その原因と対処法を解説します。
もくじ [閉じる]
パス制限の基本:260文字の壁
260文字とは?
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Windowsの旧API(Win32)では、**フルパスの長さが最大260文字(MAX_PATH)**に制限されています。
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例:
C:\Users\username\Documents\...\filename.txt
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フォルダ名 + サブフォルダ名 + ファイル名の合計が260文字を超えると、エクスプローラーやアプリで正常に扱えなくなります。
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よくある症状
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ファイルを開けない・削除できない
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「指定されたファイルが見つかりません」などのエラーが出る
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コピー・移動時に処理が止まる
対処法①:フォルダ構造を短くする
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フォルダ名を短くリネームする
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深すぎる階層構造を浅く変更する(例:\10階層→3階層)
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上位のフォルダごとデスクトップなどに移動してパスを短縮
対処法②:長いパスでも操作できるツールを使う
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PowerShell や コマンドプロンプト を使用
Remove-Item "\\?\C:\非常に長い\パス..."
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専用ツール例:
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Long Path Tool
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7-Zip(フォルダ解凍先が長いときにも便利)
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対処法③:Windowsの設定で長いパスを有効にする(Windows 10/11)
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「ローカルグループポリシーエディター」を起動(
Win + R
→gpedit.msc
) -
以下の場所を開く:
コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > システム > ファイルシステム
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「Win32 長いパスを有効にする」を「有効」に設定
※Homeエディションではこの設定は使えないため、レジストリ編集が必要です:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\FileSystem
→ LongPathsEnabled = 1(DWORD値)
補足:260文字制限が残る場面
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一部の古いアプリやスクリプトは今もMAX_PATH制限に依存
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ネットワークドライブ(\NASなど)では特に制限に引っかかりやすい
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圧縮ファイル内の長いパスも要注意
まとめ
問題 | 対処法 |
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パスが長すぎる | フォルダ名や階層を減らす、場所を移動する |
操作できない | PowerShellや長パス対応ツールを使う |
260文字制限を解除したい | グループポリシー or レジストリで設定 |
ファイルパスが長すぎて困ったときは、まず構造を見直し、それでも解決しない場合はツールや設定変更で対処しましょう。